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強さの果てとその先を描く作品

公開日: : 漫画

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読んで色々と思うことがあったのでまとめておきます。

この本は昭和時代の柔道家・木村政彦の生涯を追った話で、初めて読んだときは「本当にこんな人間がいるのか!?」と驚かされました。

特に前半部分は常軌を逸したエピソードばかりで、2chのコピペじゃないかと疑えるくらいです。

しかし読み進めていく内に、木村政彦の弱さ、人間臭さが見えてきて最終的には「強いってなんだろうなぁ」と考えさせられてしまったのです。

ノンフィクションではないけれど「強さ」を描いている作品は多くあるので、有名どころの例を挙げて「強さ」の本質を考えてみたいと思います。

バガボンドで描かれる「極まった強さの果て」

井上雄彦の漫画「バガボンド」では、天下無双に限りなく近づいた武蔵は剣を置いて考え事をすることが増えていきます。

その思索はやがて自身の内部へ、より精神的な部分に近づいていって「強さ」の本質を探ろうとします。

伊藤一刀斎のような武を極めた強さ、又八のような弱者が持つ強さ、色んな強さを描くことで、剣の意味、天下無双の意味はより深みを増していきます。

ヴィンランドサガで描かれる「行き場を失った強さの果て」

奇しくも「バガボンド」と同じような展開になった「ヴィンランドサガ」ですが、トルフィンの場合は復讐の為の強さ、それが行き場を無くしてしまった為に生まれた虚無感と向き合うことがテーマになります。

例に挙げた二つの作品に共通しているのは、攻撃的かつ破壊的に振りかざされていた強さが、様々な経験を経て穏やかな精神性、優しさのような芯の強さに近づいていったということです。

両作品がどのようなラストを迎えるのかはわかりませんが、本質的な部分で似ていると言えるのではないでしょうか。

強さが行きつく場所

他の作品でも、強すぎて周りから孤立してしまう、頂点を取ったことで燃え尽きてしまうなど、強さを極めた先には次の困難が待ち構えているというパターンが多いです。

強さには人も金も大量に集まってきますが、それは考え方次第で毒にも薬にもなります。

何か別のことを始める、自分が得た強さを人に教えていく、最強であり続けようとする。

強さの果ての困難を乗り越えるためには結局また違った強さを手に入れなければいけないのかもしれません。

何かの作品にこんなセリフがありました。

「最強であることはエベレストの頂上にいるのと同じようなものだ。そこは酸素も少なく生物もいないから人が長く居られる場所ではない」

こんなニュアンスのことだったと思うのですが、この例えは強さの果てを分かりやすく表したものだと思います。

    

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