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日常系作品とは何なのか?

公開日: : 最終更新日:2016/05/18 雑記

日常系作品の定義

ドラえもんから学ぶアニメの楽しみ方

ドラえもんから学ぶアニメの楽しみ方2

アニメ作品における起承転結と演出を『ドラえもん』に当てはめて分析してきましたが、今回はもう少し踏み込んで考えてみたいと思います。

ずばり今回のテーマは「日常系作品」です。

日常系と言われてもいまいちピンと来ない人のために簡単な説明を貼っておきます。

日常系とは主に漫画・アニメ・ドラマ・映画・その他エンターテイメント作品で用いられる概念、またジャンルのこと。

一言で説明すると「劇的なストーリー展開を極力排除した、登場人物達が送るゆったりとした日常を淡々と描写するもの」。作品全体の雰囲気・空気感を楽しむのが主な楽しみ方であるため、こう呼ばれる。

とにかく徹底して物語性の排除が進められたために、他のジャンルと比べて重厚なストーリーや壮大なバトルシーンも派手なギャグパートも鬱展開も無く、さらにはオチすらもつけずに次の場面へ進む場合も有る。このため、しばしば「中身が無い」と揶揄されたりもするが、それ故に疲れたときに肩の力を抜いてリラックスしながら見るには最適であるとも言える。(ニコニコ大百科より )

説明を見ると日常系作品には起承転結や過剰な演出はないように思われます。

では実際はどうなのでしょうか。

日常系の物語

起承転結に関して言えばこれは「ある」と言えます。

そもそも日常系に分類されるような作品の原作は4コマ漫画であることが非常に多いので、短いネタの中でもしっかり起承転結していることが少なくありません。

ただ4コマ漫画の場合、キャラクターの個性を描いていることがほとんどなので物語というよりはキャラクターを見せられているように感じます。

もっと砕いた言い方をすれば「フリとオチ」で話が成立しているということです。

ストーリーを楽しむというよりは、起こった出来事や事件に対してのキャラクターの言動や反応を楽しむのが日常系の起承転結であると言えます。

日常系のキャラクターの成長

『ドラえもん』ではキャラクターが進級したり、成長することはありません。

のび太は「以前あの道具で痛い目に遭ったから今回はこの辺でやめとこう」とか「また廊下に立たされないように宿題をしっかりやっていこう」とは考えないのです。

それはのび太が「いじめられっ子」というポジションを背負っているからで、のび太が変わってしまうと『ドラえもん』が成立しなくなってしまうからです。

これは日常系作品についても同じで、記号としての役割を担っているキャラクターは成長しないことが言えます。

のび太が「いじめられっ子」であるように、日常系作品でも「ボケ」担当のキャラ、「突っ込み」担当のキャラなど、役割を考えたキャラ配置がされていることがほとんどです。

結果、このバランスを崩さない為にキャラクターは成長しない、季節は廻れど時間は進まないといった特殊な舞台設定が出来上がるのです。

この傾向はコメディ寄りの日常系作品に多く見られますが完結や新キャラ投入の為に時間が進んだり、キャラクターに変化があったりはします。

変わっていく日常系の定義

日常系作品の定義を改めて見直してきましたが、現代ではそれが大きく変わってきているように感じます。

淡々とキャラクターの日常生活を描きながらも、時間は進み成長もする、そんな作品が多く見られるようになってきました。

日常系のパイオニアと呼ばれる『あずまんが大王』はそんな作品でしたが、特にその傾向が強まったのは「けいおん!」以降であるように思われます。

「けいおん!」が大ヒットした要因の一つとして、既存の日常系作品をベースに物語としての成長要素、青春群像劇としての時間の流れを入れてきたことが考えられます。

基本的にはキャラクター同士の会話、やりとりをまったり楽しむことができますが、一人一人の成長物語としての要素が随所に散りばめられています。

その象徴として、1話目で転んでしまった唯が最終話で同じように転びそうになったときに踏みとどまるシーンがあります。

2期以降では作中に何度も出てくる亀(手すりに置かれたウサギと亀の像、ペットのスッポンなど)はゆったりだけど確かに流れている時間とキャラクターの成長を示唆していることがわかります。

そうした些細なシーンが『けいおん!』を登場人物の成長物語として見ていた視聴者にとっては最大のカタルシスとなっていたのです。

既存の「日常系作品」を見たいと思っていた人も「青春群像劇」を見たいと思っていた人も、そのどちらも取り込める作りになっていたのが『けいおん!』が万人受けした理由だと思います。

そして『けいおん!』以降の日常系アニメ作品は、キャラクターの成長要素をオリジナル展開として入れてくるパターンが増えました。

原作にない成長要素が加わることで良くも悪くも日常系の定義はより曖昧になったのです。

それは従来キャラクターのやり取りだけを楽しんでいた人や、原作の雰囲気を重視していた人にとっては面白くなかったかもしれません。

しかし現代の日常系アニメ作品はどちらの層にも受けるようなギリギリのラインを探りながらバランスを取ろうとしている風に感じます。

だからこそシンプルなキャラ萌え作品や従来の日常系作品が廃れることは今後も無いのではないかと思います。

日常系作品を見るときは、そこにメッセージ性が込められているのか、エンターテイメントに特化しているのかなどに着目して見ると面白いかもしれません。

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