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「ARIA」を日常系に分類する違和感

公開日: : 最終更新日:2016/05/19 天野こずえ作品

今回もまた「日常系」について書いていきます。

日常系に目標は必要か?

普通の物語には明確な目標が設定されていることがほとんどですが、日常系作品にはそれがないことが多いです。
「悪の組織を倒す」「全国制覇する」「○○さんと付き合いたい」などの作品の方向性を決める目標がないのです。
それはつまり物語としての終わりがないということになります。

しかし、日常系アニメの代表として扱われる『けいおん!』では時間も進むし終わりも存在します。
目標が無くても物語を成立させているような、日常系ジャンルの多様化と曖昧性は過去の記事(日常系作品とは何なのか?)で書きました。

近年の作品では『ご注文はうさぎですか??』などがそれに当てはまっていると思います。
基本的には登場人物のほのぼのした日常が描かれていますが、全体の流れとしてチノの成長、姉としてのココアの成長などが丁寧に描かれています。
実際に明示されているわけではないですが「ごちうさ」の目標はこの部分であると言えます。

もしかしたら物語性が無いように思われる日常系作品にも、具体的に示されていない作者の考える目標(作品のテーマ)があるのかもしれません。

視聴者が日常系に求めるもの

しかし、こうした日常系は本当に視聴者に求められているのでしょうか。
アニメ「けいおん!」の2期が終わった当初、ネット上でその評価は真っ二つに割れていました。
「非常によかった」、「感動した」という人もいれば、「卒業までやったのは失敗だった」、「青春路線いらなかった」という人もいました。

どちらが正しいとか間違ってるとかは置いといてこの状況は、「製作者の描きたいもの」と「視聴者の見たいもの」のズレが如実に表れていたと思います。

「ARIA」は日常系なのか?

これに似た現象が起こった例として、2001年から2008年にかけて連載されていた「ARIA」が挙げられます。
「ARIA」は作中で具体的な目標が明示されているものの、それに沿った壮大なストーリーが展開されるわけでもなくほのぼのとした日常が描かれるような作品でした。

しかし完結に近づくにつれ、主人公を取り巻く状況や人間関係は大きく変わっていって一気にストーリーは進みます。
当時は完結を匂わせる展開に悲鳴を上げていた人も多かったでしょう。

このニーズに応えるためには「いつもの日常が続いて、それが今後も続くかのように締めくくる」という方法も取れたはずですが、作者は敢えて時間を進めることを選びました。
その点で作者の意図と読者の求めていたものズレが出てしまったのでしょう。

「ARIA」内では、変わらないものと変わっていくもの、今この瞬間の大切さが何度も描かれていました。
だからこそ、作中で描かれる楽しい時間ですら永遠ではないということをちゃんと描く必要があったのだと思います。
いつか訪れる変化に真っすぐ向き合えるように、これまでのエピソードも作者がキャラクターを成長させる為に用意したものに思えます。

そして登場人物は皆十分に成長したから、その結果として作中での目標を達成して各々新しい未来に向かっていった、と自分は捉えていました。

だから「ARIA」を単純に日常系に分類することや、終盤展開への「早く終わらせたいから無理やり時間を進めた」、「終わらせ方がわからなくなったから展開させたのでは」といった意見を見ると違和感を覚えます。
もちろん自分の視点も作者の意図とずれているかもしれないし、「ARIA」をそう定義することを間違っているとも思いませんが。

まとめ

・日常系にも明示されていない目標がある

・作者の意図と視聴者の求める展開にズレが出ると叩かれる

・なぜそうしたのかを考えながら見ると面白い

 

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