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振り子の理論で考える「ハクメイとミコチ」第4巻

公開日: : 最終更新日:2016/05/19 ハクメイとミコチ, 漫画

「ハクメイとミコチ」第4巻のネタバレあります。

 

第2回 次に来るマンガ大賞で「ハクメイとミコチ」が13位にランクインしてます!
こりゃあいよいよ爆発しそうですね。
我が事でもないくせに嬉しくなって第4巻を読み返していたところ、新しい発見があったのでまとめておこうと思います。
魅力的な感想は様々なブロガーさんが書いていると思うので、自分は「振り子の理論」「エピソードの配置」にポイントを絞って感想を述べていきます。

「振り子の理論」とは

ビートたけしが自著で語っている理論で、下記にそれを引用しているサイトからさらに引用したものを載せておきます(ややこしくてすみません)。

振り子の理論でいえば、暴力とは反対の方向へ振れるだけ振っておけば、今度暴力の側へ戻ってきたとき、今までよりも、もっとずっと過激に表現することができる。

振り子も愛と暴力の間でだけ振れるんじゃなくて、お笑いの方へも振ってみたいし、あらゆるところへ振っていく。その振幅が大きければ大きいほど、他へいった ときもっと大きいことができる。おいらは、平面的な振り子ではなくて、三百六十度あっちこっち振れて、結果的には水平にぐるぐる回ってしまうぐらいなこと をやりたいんだ。」出典:「私は世界で嫌われる(ビートたけし)」(新潮文庫)
ビートたけしの「振り子の理論」から学ぶ作品評価論(シリアスとコメディ・ギャグの関係から)

引用元の記事ではこの「振り子の理論」をギャグとシリアスに当てはめた考察がされています。
そこでこの理論を「ハクメイとミコチ」に当てはめたらどうだろうと考えました。

エピソードの配置

第4巻の構成を振り子に例えるならば、最初にドキドキ、ワクワクの方向に大きく振れます
『海底二万里』のような水底探検の話が入り、今度は祭りに屋台を出して大忙しの話。

派手なエピソードが2本消化された後はその反動で、しんみり、ゆったりの方へ振れていきます
夜中にコーヒーを飲みながら付喪神が生まれる瞬間に立ち会う話、手作りの露天風呂で月を見ながら酒を飲む話、そして夜汽車に乗る話で4巻は終わります。

「ファンタジー」と「現実」

次に「振り子の理論」に当てはめるのはファンタジー要素と現実要素です。
水底探検や付喪神は、作り込まれた世界観ならではのエピソードですが、そこでファンタジーに振れた後は現実的な面白さに振れていきます
水底探検に対してお祭り、付喪神を見た次の話では露天風呂で月見って感じにバランス計算されてるかのような絶妙な配置になってるのです。

こうしたファンタジーの中に現実的な情緒を入れてくるから「ハクメイとミコチ」の世界には説得力があるのではないかと思います。

繋がりが広がることの「楽しさ」と「寂しさ」

さらに「振り子の理論」に当てはめるのはキャラクター同士の繋がりができることで見えてくる楽しさと寂しさです。

前半では今まで登場してきたけど面識がなかったキャラ同士の組み合わせが描かれています。
最初はギスギスしてたけど互いのことを理解し合おうと歩み寄ったコンジュセン、ハクメイとミコチが知らないところで知り合うイワシジャダ。
ここで広がった繋がりは今後が楽しみなものと言えますが、後半はしんみりした方向へ振れていきます。

初登場のミコチの姉アユネは、ハクメイにとって新しい繋がりになりますがその訪問の目的はなんと結婚の報告だったのです。
おめでたいことではあるけど、理屈では分かってるけど、知ってる人が少し遠くに行ってしまったような寂しさ、自分の知らないところで姉が見つけた新しい繋がり。
ミコチにだって一人で飲みたい夜はある、という話でした。

締めとして描かれるドキドキ感

最後のエピソード「夜越しの汽車」では、夜に汽車に乗って遠くへ出かける普遍的なドキドキ感が描かれています。
色んな感情や人の繋がりを様々な形で見せつけられたら、ここまで心を揺さぶられたら…その反動でどこか遠くへ飛び出したくなるなんて当たり前ですよ!
と青臭く振り切れたところで感想を終わります。

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