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SF短編集から見えてくる藤子・F・不二雄という人物

公開日: : 漫画

藤子・F・不二雄のおすすめSF短編8選!

最近読んだ『藤子・F・不二雄少年SF短編集』の1、2巻から自分の好きなエピソードを8本紹介します。
嬉しいのは自分が読んだのは氷山の一角ということ、藤子F先生の短編はこの他にも大量にあるらしいので是非コンプリートしたいです。

・ひとりぼっちの宇宙戦争(1975年)第1巻収録
主人公・太郎は新聞部に所属するSF好きの少年。記事の内容が空想的すぎて皆に受け入れられず自分は新聞部に向いてないのではないかと漫画を描くもそれも上手くいかず。自分に何ができるんだろう悶々としていると突然、地球代表の戦士として選ばれ異星の代表と戦うことに。

星間の代理戦争に巻き込まれた少年の孤独な戦いが描かれた短編です。諦めそうになる太郎を奮い立たせたもの、覚悟を決めるシーンが熱いです。

・未来ドロボウ(1977年)第1巻収録
将来への不安と焦りを抱く学生の学(まなぶ)は、ある日余命わずかな老人と出会う。金も地位もある老人は学の若さを羨み、学は老人の裕福な生活を羨む。二人は人格だけを取り換えることにするのだが…。

教訓的なバッドエンドかと思いきや、前向きな終わり方をしていて、後半のセリフは特に印象深く心に残ります。「若いということは想像以上にすばらしい、すばらしすぎるんだ!!世界中の富をもってきてもつりあわないだろう

・四畳半SL旅行(1979年)第1巻収録
少し変わった少年ヒロミは、現在鉄道模型に熱中している。周りが見えなくなるほどのあまりの熱中ぶりに心配する家族やガールフレンドだが、彼の情熱はまったく衰えることがなく…。

意味深な終わり方をしますが、狂気にも似たヒロミの情熱が行き着く先は決して後悔ではないと思いました。

・宇宙船製造法(1979年)第1巻収録
8人の若者を乗せた宇宙船が故障により辺境の惑星に墜落する。助けが来るまでその星で生活するのか、それとも宇宙船を治す方法を探すのか。極限のサバイバル生活を強いられた8人の選択は?

精神的に追いつめられて意見が衝突するシーンが何度もありますが、それは各々が「皆で生き残ること」を考えているからこそ。どの意見が正解だったのか、誰が正しくて誰が悪だったってことはなくて、最後の1ページに藤子先生の優しさみたいなものを感じました。自分はこのラストでこの短編の評価がぐっと上がりました。

・流血鬼(1978年)第2巻収録
謎のウイルスによって吸血鬼化してしまった人類と、残された人類として戦うことを選んだ少年。隠れ家として使っていた洞窟にもとうとう吸血鬼が入ってくるが…。

「バイオハザード」的なハラハラ感があるけど、同時に善悪の価値観について考えさせられました。

・ふたりぼっち(1979年)第2巻収録
突然自室に異世界への扉ができた健二は、パラレルワールドの自分と遭遇する。趣味や性格も瓜二つな二人は意気投合し、頻繁に会って話をするようになるが徐々に差が出てきて…。

パラレルワールド以上の衝撃、新しい世界への扉は案外現実の身近なところにあったりするものです。シンプルかつ強力な衝撃で締めくくられるラストがよかったです。

・宇宙からのおとし玉(1983年)第2巻収録
時間が流れ何もかも変わっていくことに漠然とした不安を抱く少年・平川。ある日空から落ちてきた玉を拾うがその玉の正体は驚くべきものだった。

思春期の内面に迫った心理描写と後半の爽やかさはまさにジュブナイル。一本の映画のような完成度の短編だと思います。ヒロインには少しイラッとしました。

・絶滅の島(1980年)第2巻収録
突如現れた宇宙人に、虫けらのように殺された人類。秘島に隠れ住んでいたシンイチたちだが、とうとうそこにも宇宙船が攻め入り人間狩りを始めたのだった。

皮肉と残酷な描写が目立つエピソードです。「人を殺す宇宙人が許せない」と言いながら串刺しにした魚を焼いているシーンが印象に残りました。

   

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