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ラブコメ視点で読み解く「物語シリーズ」

公開日: : 最終更新日:2016/05/20 2009年, アニメ, 物語シリーズ

テレビアニメ<物語>シリーズのネタバレがあります。

<物語>シリーズは「化物語」を始めとする西尾維新のライトノベルシリーズの総称でアニメ化もされている超有名作品です。
しかし自分は、この作品はどちらかと言えば癖の強い部類に入り万人受けするものではないように感じていました。
ではなぜ<物語>シリーズがヒットしたのか、今回はアニメ「化物語」を中心に、ラブコメの視点からそれを考えてみたいと思います。

【化物語】作品の特徴

なぜヒットしたのかを考える前に、「化物語」の特徴をいくつか抑えておきます。

・魅力的なヒロイン
「化物語」では2、3話ごとにヒロインが入れ替わって話が進む形式が取られていました。
登場するヒロインごとに専用のOPが用意されてたことから「化物語」がキャラクターを推していたことがわかります。

・テンポのいい会話劇
基本的に主人公阿良々木暦とヒロインの取り止めのない会話から話が進んでいきます。
どのヒロインも一癖も二癖もあって彼女達がボケで阿良々木君がツッコミというパターンが多いです。
お笑い要素と知的な言葉遊びが早めのテンポでやり取りされるのはシリーズ全体の特徴と言えます。

【化物語】癖の強い部分

魅力的なキャラクター、テンポのいい会話劇があればヒットするのは普通のことに思えますが、「化物語」は普通のアニメとは少し違っています。

・会話がメインの為アニメーションとしての視覚的な楽しさに欠ける

無機質に描かれた背景や建物は独特の世界観を作り上げていますが、それは会話に集中させる為の工夫とも取れます。
アクションシーンより会話に重点を置いているので作画を重視する人、動く画にこだわっている人から見れば非常に退屈な作品になるかもしれません。

・阿良々木暦が早々にヒロインと付き合う
<物語>シリーズにはヒロインが多数出てきてそのほとんどが何らかの形で阿良々木君に好意を抱きます。
これはいわゆるハーレム状態で、似たようなシチュエーションの作品は他に数多く存在します。
ではこうしたラブコメ的な、ヒロインがたくさん出てくる作品でのタブーとは何でしょうか。

それは主人公がヒロインの中から誰か一人を選ぶということです。

主人公が誰かとくっついてしまえば他のヒロインが入る余地はなくなるので、そうした答えを出すのは大抵はストーリー後半、ラストになります。
しかし「化物語」ではまだヒロインが出揃ってない内に特定のヒロインと阿良々木君が付き合いだします

初めてこれを見たときに自分は衝撃を受けました。

<物語>シリーズはラブコメではないですが、ラブコメやハーレムものをたくさん見てきた人ほどこのシーンの衝撃は大きかったのではないかと推察します。

【物語シリーズ】ラブコメ視点で見えてくる物語

上記のは点はそれだけで物議を醸しそうですが、視聴者に意外とスンナリ受け入れられています。
実はその点が<物語>シリーズヒットの秘密ではないかと自分は考えました。

・アニメーションとしての視覚的な楽しさが欠けることについて
これに関しては原作が原作なだけにアニメ化が非常に難しい作品だったことが前提としてあります。
しかし会話の中でキャラを劇画調にしたりデフォルメ表現したり、パロディ表現をしたりなど、なんとか華のある画にしようという工夫がされている為、そうした挑戦的な姿勢が認められていたのだと思います。
それまでアニメを見ていなかった層からすれば、クールでオシャレな感じが当時流行ってた萌えアニメと一線を画しててかっこよかったのではないでしょうか。

・阿良々木君が早々にヒロインと付き合うことについて
ラブコメとして見れば「化物語」は序盤で完結してしまうので、その後の話は必然的に「選ばれなかったヒロインのその後の物語」になります(もちろん全てがそうというわけではないが)。
選ばれなかった為に不幸になる場合、長い目で見てよかったと言える場合、「化物語」はそうした王道ラブコメやハーレムもので描かれなかったような「その後」が描かれていた作品だと捉えることができるのです。

シリーズ3期にあたる「セカンドシーズン」ではそれ対する一つの”答え”が描かれていました。
作者はそこまでの話の中で、選ばれなかったヒロインにもその後の人生があって、選ばれなかったということは必ずしも不幸ではないと言いたかったではないでしょうか。
ラブコメ的な視点から見て視聴者や読者が今まで見てきた負けヒロインの「救い」が描かれていたことが<物語>シリーズヒットの一因だったと思うのです。

  

take
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Comment

  1. takapon46 より:

    takeさん、こんばんは(^o^)

    ブログ順調ですね。

    とてもわかりやすく、ためになると思います。
    私もかなり勉強になっていますよ。

    takeさんのおかげでわたしの知らない世界が広がります。

    化物語の本命以外のヒロインたちのもう一つのストーリー的な考え、なるほど、ポンって思いました。スッキリですね。

    これからもtekeさん流の解説を楽しみにしてます。がんばってくださいね。

    できるだけ多くの人に読んでもらいたいですね。

    それと、こちらにもリンクしていただいてありがとうございますm(_ _)m

    それではまた。

    • take bremen より:

      takaponさん
      ありがとうございます。
      コメント頂けると非常に励みになります。

      初めてのwordpressで記事一つ書くにしても手探りの状態なのですが、それもまた新鮮で面白いです。
      お互い楽しみながら頑張っていきましょう!

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