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「あまんちゅ!」は「ARIA」に対するアンサーソングだった!?

公開日: : 最終更新日:2016/05/19 天野こずえ作品

「ARIA」のラストで突きつけられる現実

自分の友人は「ARIA」を読んだときに旅に出たくなったと言っていました。
「ARIA」は旅行記でもなければ冒険ものでもないので少し変わった感想です。

しかし同じような感想を抱く人はたびたび見かけます。
モデルとなっているヴェネツィアに「聖地巡礼したい」ではなく「どこか遠くへ旅に出たい」なのです。
この魅力は何なのか、現実逃避と結びつけることもできますが、自分は登場人物への憧れではないかと考えました。

作中の主人公水無灯里は何気ない景色から新しい発見をしたり、良いことも悪いことも最後は楽しいに変えてしまう人物として描かれています。
それはまるで、何でもないような日常を初めて体験しているかのように読者を錯覚させます。

この灯里の真っすぐな感受性が作品の幻想的な世界観と重なり、退屈からの脱却、非日常への好奇心として「水無灯里への憧れ」になっていたのではないでしょうか。
しかし、灯里のそんな日常も物語後半で終わりを告げ、以前のように先輩と一緒に仕事をしたり友達と練習をすることはできなくなっていきます。

この展開に関しては賛否両論で恐らくそれは作者の耳にも届いていると思われます。
そして、「ARIA」後に発表された新作「あまんちゅ!」はそうした読者に向けた作者からの返答に思えてなりません。

今回はその点について書いていきます。

「ARIA」と「あまんちゅ!」

両作品は同じ作者なだけあって似ている点が多いです。
しかし大きく異なる点があってその一つは舞台です。
「ARIA」は火星に作られた水の都市が舞台で、「あまんちゅ!」は静岡県の伊豆半島が舞台となっています。

一方はファンタジーでもう一方は現実、両作品を対比させるときにこの舞台設定が鍵になります。

異なる点の二つ目は登場人物の違いです。
「あまんちゅ!」はダブル主人公の形態をとっていて(登場人物全員が主人公とも言えるが)対照的な個性を持った二人のキャラを軸にして話が進みます。

主人公の一人である小日向光は底抜けに明るくポジティブで何にでも楽しさを見出せるようなキャラクターで、「ARIA」の灯里によく似ています。
そしてもう一人の主人公大木双葉ですが、彼女は物静かで引っ込み思案、そしてネガティブと、光とは正反対のキャラクターになっています。

「ARIA」では読者が灯里に惹かれてしまうと書きましたがそれは光に対しても同じです。
そして彼女達のように毎日明るく楽しく過ごすことへの憧れがあったからこそ「ARIA」で日常が終わってしまったことに拒絶反応を示したのだと思います。

そんな読者を映しているのが大木双葉というキャラクターです。
彼女も読者と同じように光に憧れ、自分を変えたいと思っています。
けれどすぐには成長できないし、1歩進んだと思っても2歩下がっていることもあります。

現実では双葉は光や灯里のようにはできないのです。

だからこそ、双葉がひたむきに少しずつでも前に進んでいく姿に説得力を持たせるためには「あまんちゅ!」は現実の世界でやる必要があったのかもしれません。
理想的な「ARIA」の世界が完結することで打ちのめされてしまった読者に対する回答として作者は、「現実だって心の持ち方でファンタジーのように輝くよ」ってことを「あまんちゅ!」で描きたかったのではと思いました。

「あまんちゅ!」ですが今年の夏にアニメ化が決まったようです!

「あまんちゅ!」公式サイト

 

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